栴檀は藍より芳し
というけれど芳しさを感じたことはない
その木は
伊丹空港の北側
千里川の堤防にあった
まず樹形がよろしい
直径70センチほど
ゆったりと枝を拡げて
春は新芽のみどりが広がる
すぐに花が咲く
秋、いつの間にか落葉して
あとに銀色の房成の実が残る
散歩の楽しみ
ある日
栴檀の木の横にレッカーが止まり
すでに上の方が切られていた
みるみる枝も幹も切られてしまった
成長にかかった年月はあっという間に
無かったことにされた
ならば
大きくなる前に切れよ
栴檀の無念を代わりに毒づいた
長い年月はもうない
私の安らぎも

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